「目覚ましが鳴る前に目が覚めるなんて……わたしも早起きが習慣づいてきたみたいね~」
「……っと、玲緒が起きちゃうわね。静かにしなきゃ」
「こういう時だけは、素直なんだから……せっかく早起きできたんだし、今日も行ってこようかな」
「ふぁぁぁい……じゃあ、おみやげ、かってきてね~」
「お土産って……完全に寝ぼけてるわね、ふふふっ♡」
「ん~、今日も良い天気。絶好のサイクリング日和ね」
「うーん、良い風。まだ人の少ない街中を走り抜けるのって、なんかいいなぁ」
(クロスバイクで、街中を走り抜ける……これが最近のわたしの、朝の習慣だったりして)
「玲緒にもこの気持ちよさ、分けてあげたいけど……あの子に早起きなんて、絶対に無理よね」
「というか、玲緒って自転車乗れるのかしら? 三輪車なら、乗れそうだけど♡」
「ふふふっ……あっ、もう八百屋さん、開いてるんだ。おはようございます」
「あら、麻衣ちゃん。今日も元気ね。いつものトコ?」
「ふぅ、ふぅ……ちょっと喉、乾いたかも……あっ、自販機発見♪」
「ぷはぁ~、すっごく美味しい♡ よーし、もう一走り行くわよ~♪」
(もう何人か、朝サイクリングしている人と顔見知りになっちゃった。こういうのって、なんかいいよね♪)
「ふぅ、ふぅ、はぁ……あと少しで……ここを抜ければ……」
「ふぅ~、荒川に到着! ここ、今日も風が気持ちいいなぁ」
「ここからは、スピードを上げて……坂道、一気にいくわよっ!」
「むにぁ~、まぁい……おみやげ、まだぁ? すぴー」